童心社刊行の人気シリーズ、おいしともだち第6作「りんごくんがね••」です。初版発行は2011年なので、とても新しい(?)絵本。子どもが大好きなリンゴと忍者の組み合わせ。夜明け前に枝から落ちた忍者姿のりんごくんが目指した先は?1歳前後から楽しめる、とても愉快で盛り上がる1冊です。食育という観点でも、選ばれることが多そうですね。オススメ!
作者はとよたかずひこさん
とよたかずひこさんは、1947年生まれの絵本作家さんです。宮城県仙台市出身で、早稲田大学第一文学部卒業。自らのお子さんが誕生したことをきっかけに「これなら僕にもかけるんじゃないか」と思い、絵本作家になられたそうです。
過去のインタビューで印象的だったのは、絵本の制作にどれくらいの時間がかかるか、という質問に対する応答を紹介するところです。
読み聞かせ会に行くと、子どもから質問があるんです。「この絵本をつくるのにどのくらいかかりましたか?」って。今僕は60歳なんですが、60歳のときの作品なら「60年間」という答えが一番正しいんじゃないかと思ってます。60年分、いろんなものが積み重なって、全部混ざり合って、この絵本ができてるわけだから、「今年の4月から始めたから5カ月だよね」とは答えられないんです。
KUMON ミーテから転載
おっしゃる通り。
これは絵本に限らないですよね。人の手で生み出されるクリエイティブは、総じてこれが正しい答えなのではないでしょうか。
実際に手を動かしているのはほんの一部分。むしろ、その前の目には見えない段階こそが、そのものの宿す価値が生み出される源泉であるのだと思います。
とよたかずひこさんは多くの絵本を出版されていますが、その中でも特に人気が高いものを、いくつか紹介します。
どんどこももんちゃん(2001)童心社
第7回日本絵本賞受賞!
はじまるよ はじまるよ(2020)世界文化社
手遊び歌の動画QRコード付き!
でんしゃにのって(1997)アリス館
厚生省中央児童福祉審議会児童文化財特別推薦
人気シリーズ・おいしいおともだち
2008年に最初の「おにぎりくんがね••」が出版されて以来、ほぼ一年に一冊ペーズで発行が続く人気シリーズです。子どもたちに人気の身近な食べものが主人公として登場し、どんなピンチでも「しんぱいごむよう!」と切り抜けます。
公式の対象年齢は2歳〜となっていますが、少なくともうちの子どもたちはもっと小さいうちから「しんぱいごむよう!!!」と真似して楽しんでいました。言葉が出はじめる前でも、「しんぱいごむよう!」ポーズを真似ながらキャッキャしてたので、1歳前後から十分楽しめとオススメできます!
価格はすべて850円(税別)ですよ。
- おにぎりくんがね•• 2008年9月発行 ▶︎詳細はこちら
- たまごさんがね•• 2008年9月発行 ▶︎詳細はこちら
- なっとうさんがね•• 2008年9月発行 ▶︎詳細はこちら
- とうふさんがね•• 2009年9月発行 ▶︎詳細はこちら
- すいかくんがね•• 2010年5月発行 ▶︎詳細はこちら
- りんごくんがね•• 2011年5月発行 ▶︎詳細はこちら
- おいもさんがね•• 2012年6月発行 ▶︎詳細はこちら
- いちごさんがね•• 2013年9月発行 ▶︎詳細はこちら
- とまとさんがね•• 2014年5月発行 ▶︎詳細はこちら
- とうもろこしくんがね•• 2015年5月発行 ▶︎詳細はこちら
- ばななくんがね•• 2016年8月発行 ▶︎詳細はこちら
- めろんさんがね•• 2018年4月発行 ▶︎詳細はこちら
- おもちさんがね•• 2019年10月発行 ▶︎詳細はこちら
「りんごくんがね••」あらすじ紹介
よあけまえ、木からとびおりたりんごくん。にんじゃすがたで、すたすたすたすた……いそいでいます。うさぎにおわれ、カラスにつかまっても……「しんぱい ごむよう! 」。うさぎりんごになって最後にたどりついたのは、お弁当箱の中でした。さあ、みんなもいっしょに、「えんそくにしゅっぱーつ! 」。
Amazon商品紹介ページから転載
子どもって、りんごが大好き。それに、忍者も大好き。そんな子どもの大好きがつまったストーリー。
出てくる言葉はどれも簡易で、言葉をしゃべりはじめたばかりの小さな子どもも、がんばって真似しながら楽しめます。
特に、最初の↓を一緒になってやる姿には、涙が出るほど笑いました。
「すた すた すた すた すた すた すた すた すた ・・・」
途中、悪い目をしたカラスに「ガシッ」とつかまりますが、そこは忍者のりんごくん。
しんぱいごむよう!
と見栄を切り、持ってた刀で華麗に切り抜けます。
その後は笑顔で自害(笑)をして、みんなの待つお弁当箱へとぴょーん!です。
めでたしめでたし。
我が家の蔵書です。